ランランララランランラン

シリーズ完結。四季に対応したこの作品、今巻は冬。

自分の真冬への気持ちに気づき、また真冬もどうやら同じ想いを頂いているらしいと感じることまでできたのに、自信の無さゆえに最後の一歩が踏み出せず、あいまいな関係のままに留まっていた直巳。そうしている間に、真冬の誕生日やクリスマスといったイベントが迫る。

直己はそんな言葉にしてない想いをクリスマスライブのペアチケットに託して真冬に贈ろうとするも、響子の策略により当日のライブに参加することになってしまう。
そうしてライブに向け練習を進める中、響子から想いをはっきりと伝えられ、翻弄されてしまう直己。
そんな中、真冬の誕生日はなんとか2人で向かえることとなり、プレゼントを贈りあう。そこで真冬からもらったサンプル音源を聴いている間に直己はほんのささいな違和感に気づいてしまう。翌日から真冬は学校を休み、そのまましばらく会えない日が続き・・・。

ゲームでも小説でもこの手の主人公は苦手め。
よくあるパターンで、極端に鈍感で自分ひとり何もわかってなくて、無自覚に周りを傷つけたりしといて、後になって気づいてバタバタみたいなタイプはどうにも読んでるだけでもイライラしてきて仕方ない。主人公補正でモテモテなのとかは平気なんだけどねｗ

なんてかこの手の主人公は最初から最後までえんえん同じこと繰り返す場合が多いからたぶん苦手なんじゃと思う。読んでると、もどかしいってのをを通り越してあっという間にイライラになってしまうので、それが蓄積してきて疲れてくるせいで途中を割りとナナメ読みぎみにザクザクと読み勧めてしまいそうになることが多々ｗ

そんなこんなで各巻、それぞれもどかしく思いイライラしつつもいつの間にか物語に惹きこまれていくという不思議な作品。
でもね、今巻はちょっとイライラのほうが強かったかな。あんまりにあんまりで、そりゃねーよな超鈍感設定すぎてｗプレゼントのくだりとかプレゼントのくだりとかね！もーひどすぎんだろ、と。

でも最後は大きく盛り上げた後にとても綺麗な締め方になっていたので流石というかなんというか。
こんだけ上記でぐずぐずと「イライラする」って書いておきながらですが、読了感はホウっと感嘆の溜息が出るようなかんじです。

これだけ惹きこまれる文を書かれる作者さんなので、他の作品もだいぶ気にはなっているのですが、またこーゆーもどかしさ全開でやきもきさせられるのだとあんまり読みたくないなーと思ってふんぎりがつかなかったり。

ちなみに、いつも通りに今巻も作者サイトでの曲目解説があります。

4編+αの短編集。

• 悪党退治は何カロリー？
  「太った」と言う美智乃は、ダイエットのためにと星弓家の役割を使い「平和のために戦う！」と決意。
  自称「正体不明の敵に襲われて危ない所をヒーローっぽい人に助けられるヒロイン」役の美智乃は、次の日まさにその通りに不良に絡まれているところを颯爽と現れた青年に助けられ・・・・。
• 星の王子さま
  柚島に連れられ訪れたのは、いじめられて休んでいる大迫くんの家。そこで軋人と大迫は格ゲーのことで盛り上がり、そのまま仲良くなってゆく。
  そんな中、七姉の部屋から美智子が大迫くんの写真を見つけてくる。もしかして最近七姉が「緊急事態だー」と言ってなにかと動いている様子なのは・・・・。
• 刃の行方
  ある日の帰り道、軋人はナイフを持った見知らぬ少年から襲われる。どうも以前にのした悪党の手によって軋人の首に500万もの賞金がかけられたらしい。
  そんな大金をその少年が必要とする理由を聞いた軋人は、悪党を騙して賞金を手にしようと少年に持ちかけ・・・。
• 大邪神の夜
  母校へと怪異の調査に赴いた彩美と七美。
  実は、この学園の塔には『鐘』によってあらぶる神が封じられており、一度10年前に表に出たそいつを彩美が退治していた。その後も4年前に『鐘』が盗まれ邪神が復活し居合わせた七美によって退けられている。
  未だ見つからない『鐘』。今回の怪異も邪神復活の前兆ではないかと調査を始める2人・・・。

以上の4本とおまけで星弓家+1メンバーによる赤ずきんちゃんが収録。

いつものような軋人のブラコンっぷりや詰めが甘いところなんかはもちろんですが、今回は軋人のちょっとかっこいいところや、七美のいつもは見せない一面のようなものなんかも描かれています。

藤原祐×椋本夏夜コンビの伝奇ものの2巻。

先の事件より1週間が過ぎ、迷い家に招待された景介は一族の少女「型羽」を紹介される。
彼女は猜疑心が強く、人間を信用しない。それは、喪着を行い彼女の一部となった体に対して過去に人間たちが向けた悪意、その痕跡たち。型羽はそれこそが「人間」であると言う。

次の日、型羽とうちとけることのないままの帰り道、2人は繁栄派の巳代と通夜子に襲われる。
敗れる型羽、連れ去られる景介。その景介の命と引き換えに繁栄派は一族の宝刀「つうれん」を要求。
景介が連れ去られた先は、灰原が死んだ場所であり枯葉が喪着を行った場所である美術室。そこに現れた依紗子が彼に見せる楽しげで虚ろげな笑顔と狂気。

レジキャスからあいかわらずというか、この人たちの作品は陰惨げな内容というか空気がよく出てきますな。もうそういう芸風なんだよね、きっと。
あと『ギャップ』、レジキャスも今作もこれがわりとよく出てくる気がする。パっと見の姿と性格が～とか、普段のキャラと戦闘時のキャラが～とか、服装と武装が～だったりで。今巻も終盤に出てくる武装でちょっと噴出しそうになった。そうくるか、と。ちなみにそのギャップは個人的にとても好きなかんじの一品でした。

まだ数人は名前だけで出てきていない人もいるけど、今回で大方主要人物は出揃ったんじゃないでしょうか。
けっこう伏線らしきものや謎の提示が増えてきたので、次巻以降そのあたりがどのように展開されるのかが楽しみです。

アキバblogやらかーずSPやらで妙に推されまくっている今作。（アキバblog掲載の著者インタビュー）
もう漫画化も決定らしいし、とらでもラノベとしちゃあり得ないくらいの量積まれてたしで、なんでそんな大プッシュされまくりなんだ・・・と逆にちょっとヒく。

とある事件から仲が悪かった妹から"人生相談"としてエロゲもアニメも大好きなヲタであることをカミングアウトされた兄。オフ会に一緒に参加してあげたり親バレからの最悪の事態を回避したりとさまざまなイベントのあった1巻。
その後も、妹に脅さてエロゲをやらされていたりとなぜかずるずると不思議な状況が続行中の今巻。なんだかんだで順調にヲタ汚染されていっておるようです。

なぜか最近、麻奈美に元気がなくどうも京介を避けられている様子。そんな感覚を頂いている中、麻奈美が家庭の事情で数日学校をお休みすることに。麻奈美は何か悩みを抱えているに違いない。でもその悩みがわからず京介は落ち着かない。煮詰まってきた京介は身近にいて口が固く真剣に相談にのってくれそうで女心がわかりそうな相手として桐乃に相談をもちかけてみることに・・・。

その後麻奈美の悩みの件も一件落着して時期は夏休みに。ちょっとしたことで桐乃に深刻な弱みを握られてしまい、「夏の想い出」をつくらされるはめに。何をすればいいのかわからず悩んで、以前のオフ会で知り合ったガチヲタな沙織に相談したところ、それならばと沙織たちに連れられ夏コミに行くことに。
なんだかんだと言いつつ素直じゃないながらも楽しんだ様子の桐乃。「夏の想い出」を作るというミッションも無事完了したようでホっとした京介。そんな楽しい時間も束の間、その後に起きてしまった事態は深刻で・・・。

展開は基本ｋｎｅｇ。割とお約束なタイミングでお約束なイベント発生（ＣＧ付）的なノリで進んでく。
まんまｅｒｇ原作方向にしても問題ないカンジｗ　そうなったら攻略キャラはたぶん今んとこ5人だな、うん。

あいかわらず桐乃はツンツンツンツンツンツンツンツンデレな具合にツン度が激高。めっちゃ暴言侮言はきまくりで傍若無人というかワガママというか。前回も今回もあんなにがんばったのに一向に報われた感のない兄貴カワイソス。
そんな桐乃が終盤ポロっとこぼした「今まで～～」てな気になるセリフ。あとがきに「三巻は今までとやや違う方向から～」とあるし、次巻はきっと過去編みたいなもんになるんじゃなかろーかと予想。

あとこの作品、前巻からそうなんだけど比較的挿絵が多い気がする。
上記にあるように妙にアキバ方向の受けがいいのは、キャッチーでかつわりとあざとい内容と、このイラストがとてもいい具合にマッチした結果なんじゃないかなーと思ったり。

正直なとこ、ふつーに面白いとは思うんじゃけど、やっぱりなんでこんなに人気で推されまくってんのかは理解できん。